Rの{ggplot2}
のグラフの軸ラベルを縦書きにしたい(第二弾)、そして改行もしたいと思った(追加要素)。
できればscale_x_discrete()
内でlabels
引数に関数等を指定することでいい感じにしたいと思った。投入する前のデータでいじるのではなく、ggplot
内で簡単にできるようにしたかった。
いい感じの関数が見つからなかったので作ってGitHubにあげている{infun}
にlabel_vertical()
として入れてみた。ただ、野良パッケージを使いたくない人のために、関数そのものも後の方に貼っておく。
install.packages("remotes") remotes::install_github("indenkun/infun")
サンプルデータを作る。値に意味はない。
df <- data.frame(city = c("秋田県\n東北", "東京都\n関東"), value = c(10,12))
そのまま{ggplot2}
で棒グラフを書く。
library(ggplot2) ggplot(data = df) + geom_bar(aes(x = city, y = value), stat = "identity")
これを縦書きにして、改行も実現したい。
{infun}
のlabel_vertical()
を使って擬似的に実現する。
ggplot(data = df) + geom_bar(aes(x = city, y = value), stat = "identity") + scale_x_discrete(labels = infun::label_vertical(line_feed = "\\n"))
できた。
\n
を鍵にして、line_feed
に指定することで改行しているようにみえるようにしている。(エスケープシーケンスなのでその前にもう一個\
を入れる。)
これは別にエスケープシーケンス以外の文字も改行の鍵にできるので例えばスペースで区切られている場合も実現できる。
df <- data.frame(city = c("東北 秋田県", "関東 東京都"), value = c(10,12))
これをそのまま{ggplot2}
で棒グラフを書くと次のようになる。
ggplot(data = df) + geom_bar(aes(x = city, y = value), stat = "identity")
これの半角スペースを鍵にして改行を縦書きで実現したいとおもったら、line_feed
に半角スペースを指定すると実現できる。
ggplot(data = df) + geom_bar(aes(x = city, y = value), stat = "identity") + scale_x_discrete(labels = infun::label_vertical(line_feed = " "))
x軸とy軸入れ替えても行ける。
ggplot(data = df) + geom_bar(aes(x = value, y = city), stat = "identity") + scale_y_discrete(labels = infun::label_vertical(line_feed = " "))
ただし、擬似的な改行なので半角文字や、比等幅フォントを使うとずれるしもはやこのコードでは縦書き実現できないので難しい。
コードを貼り付けておく
label_vertical <- function(replace_list = vertical_list(), line_feed = NULL, blank_space = " "){ function(x){ if(!is.null(replace_list)){ list_is_formula <- unlist(lapply(replace_list, function(x){"formula" == class(x)})) if(all(list_is_formula)){ for(i in replace_list){ x <- gsub(i[[2]], i[[3]], x) } }else if("formula" == class(replace_list)){ x <- gsub(replace_list[[2]], replace_list[[3]], x) }else{ stop("the replace_list must be in the formula format, in list.") } } if(is.null(line_feed)){ unlist(lapply(strsplit(split="", x), paste0, collapse = "\n")) }else{ unlist(lapply(x, function(x){ x <- unname(unlist(sapply(x, strsplit, line_feed))) label_text <- character() for(i in 1:max(nchar(x))){ m <- unname(sapply(x, function(x){ substr(x, i, i) })) m <- sapply(m, function(x){ if(x == "") blank_space else x }) if(length(label_text) == 0) label_text <- paste0(paste0(rev(m), collapse = ""), "\n") else label_text <- paste0(label_text, paste0(paste0(rev(m), collapse = ""), "\n")) } label_text } )) } } } vertical_list <- function(){ list("\u30fc" ~ "\uff5c", "-" ~ "\u2758") }
この2つのコードを実行すると{infun}
インストールしていなくても、label_vertical()
実行できる。
雑感
前回同様、疑似的に縦書きにするために縦書きにするためイミングで改行していくという仕様になっている。
更に縦書きでの改行を実現するために、縦書き2行の例でいうと、縦書き二行目+縦書き1行目+改行して次の文字になるように文字列を改変するためのコードを追加した(改行のための鍵となるline_feed
が指定される時に実行される)。
で、隣の文字がない場合には最初はただ全角スペースを入れるようにしていたのだけれど、微妙に短い文字列がある場合にずれる。なぜなら、勝手にセンタリングされるから。
空欄のずれを調整するために字環境では半角スペース4個を挿入しているが、指定するフォントや環境によっては異なるかもしれないのでそこも指定できるようにしている。
そもそもなんで勝手にラベルがセンタリングされるのか、そしてこれを左端揃えにする 方法がないか調べてみたが分からなかった。
しかも、これがy軸側だとなぜか右端揃えになるという謎。
なにかコード上で制御できるんだろうか?